
怒りの感情を浄化する方法
以前は怒りを抑えるのにかなりの時間かかりました。
抑えきれずに噴火することもしばしば。瞬間湯沸かし器のようではなく、しばらくふつふつと煮詰めて抑えきれずに噴火する感じです。
しかし、噴火した後も、完全に怒りがおさまるまでにはもっと長い時間がかかりました。
マインドフルネスが怒りの感情を浄化するのに役立つ方法
私たちの多くは、理不尽なことを我慢しながら毎日を過ごしています。
カチンとくることをされて、ムカムカすることがあります。
マインドフルネスを学び始めて、ずいぶん変化した実感を得て穏やかで幸福感に満たされた日々を送っていました。この先はずっとこんな感じになるんだろうな、と
安心感を持っていたある日、それは起りました。
それは以前に繰り返されたのと同じこと。私に怒りが湧いてくるお馴染みのパターンです。
身近な人に、その人の都合で動かされること。それ自体は問題ありません。私はいつでも誰かの都合に合わせて親切な行動ができます。
問題は、相手からありがとうとかすみませんなどの気持ちが伝わって来ないときです。
重大なことからとっても小さなことまでこだわってしまいます。
悩ましいのは、この「とっても小さなこと」が起きたときです。
重要なことのときには、きちんと自分の気持ちを伝えます。
しかし、とっても小さなことのときは、わざわざカチンと来た、というほどのこともなく、というか、こんな小さなことになんと文句を言っていいかわからず
自分の中に怒りをためることになります。
多くの人が、同じようなことを体験していると思います。
では、どんな風にしてこの怒りを処理しましょうか?
マインドフルネスが私を助けてくれた方法を学びましょう。
1.呼吸に集中しましょう。怒りの状態の時はあなたであってあなたではありません。
まず、落ち着きましょう。
2.怒りの原因をただありのままに観察しましょう。
3.原因が明らかになったら、怒っている自分を受け入れてあげましょう。
「このことが嫌だったんだよね。それで今怒っているんだね。」
4.怒りに燃える私を抱きしめてあげましょう。思い通りにならなくて泣き叫ぶ子供を
抱き締めるイメージです。「嫌だったよね。」
この段階で、ずいぶん気持ちは和らいできます。私の中に理解者がいることを知って、落ち着いてきます。
5.自分の内側に入っていきましょう。ここでは相手を登場させないことが秘訣です。そしてどうしてそんなに嫌だったのかなと問いかけます。
6.だんだん自分の中に答えが見えてきます。
例えば、私の答えはこうでした。
その日、私は寝不足で少し疲れていました。やらなくてはいけないことがなかなか進まず、気持ちも沈んでいました。一方相手は楽しそうでした。次から次へと楽いことが起きている感じでした(実はこれすら私が勝手にそう思っていただけかも知れません。)。
そんな中、私が気持ちをコントロールしてなんとかやるべきことを動かし始めたときに、相手の都合でそれを中断させられたのです。けれどそのときに怒りはありませんでした。
怒りは、私がその要求を受け入れたときに、ありがとうもすみませんの気持ちも贈られなかったときに起りました。相手が、私がまるでその人の要求を受け入れるのが当たり前と思っているように感じたときに怒りが湧いてきました。しかもその要求は、その人の楽しみのためになされた要求でした。
マインドフルネスを学ぶ前の私なら、相手から自分の期待する行動が得られなかったときは、いつまでも怒りの嫌な感情を抱き続けて消耗したと思います。
しかし、マインドフルネスを学びつつあった私は変わりました。いいえ、変わりたいと希望したのです。
さっそく学びの効果が現れました。
これは、私がきちんと学びを自分のものに出来ているかどうかのテストなんだ、という風に捉えたのです。「変わりたい。」という気持ちの覚悟を試されているのだと考えました。すると、不思議に気持ちが落ち着いてきたのです。
怒りは相手の問題ではない、自分の内側の問題なんだと。
けれども、注意してください。
先ほどお伝えした1~4のプロセスを充分に行って、私たちの感情を受け入れてあげてから実践しなくてはなりません。1~4のプロセスなしに5を行うと、ストレスを無意識下に深く埋め込んでしまいます。
私が問題を抱えていたために、相手のささやかな感謝の表明を見逃したのかも知れません。あるいは私が状態の良いときであれば、何も感じなかった出来事かも知れません。
そこで、相手が「どうしてあんなことをしたのか?」と推測してはいけません。自分の想像で最悪なことをどんどん作り出してしまうからです。そうすると、怒りはますます燃え盛ってしまいます。
あくまでも登場人物は私だけ。自分の内側に深く入って声を聞くことです。それがうまく出来ない時は出来るようになるまで1~4を繰り返してください。
そうして5が完了し、6が完了して、自分の中の答えが見つかったら、
7.その怒りを手放しましょう。空に向かって飛ばすのも良し、地球の奥深くに沈んでいくのを見つめるのも良し、海に流すのも良いでしょう。とにかく自分から離れていくイメージを持ってください。そしてその自分から離れた怒りが、きれいな光に包まれて美しいものに生まれ変わるイメージを思い浮かべます。さあ、あなたは相手に怒りをぶつけることなく自分の力で怒りを浄化させることに成功しました。
天使とか、いるかとか、神様とか?
何か優しく頼り甲斐のある存在が、それを受け止めて美しいものに変えてくれるイメージです。
私はこれを「怒りの浄化」と名付けています。
それがイメージできたら、時間を巻き戻してしまわないように(この時点で気持ちはまだ揺らぎやすく柔らかいので)、その件は今は考えるのをやめる、と自分に宣言してください。両手をパチンと打って終了の合図にするのも良いでしょう。
そうして、しばらくクールダウンの時間をおいてから、もしあなたがそうしたいのならば、相手のことを考えても良いでしょう。主観を入れず事実のみを淡々と観察しましょう。
私の場合はこうでした。
私の内側の声を聞いて、私自身の抱える問題があったことが理解できました。
では相手に全く非はないのでしょうか?
冷静に考えて、相手にも非はあります。基本的な思いやりや礼儀に欠けていると思います。
もし、心の中で感謝をしていたとしても、当たり前のような雰囲気でいたら伝わりません。
ただ、クールダウンした今では、相手の素晴らしい点や良いところをたくさん思いつくことができます。むしろ良い面の方がたくさんあることも思い出しました。
私も含めて完璧な人はいない、と再び考えられるようになり、良いところも悪いところもその人の全てを愛を持って受け入れることができました。
そのとき、私はテストに合格したと感じました。
以上のことは、私だけでなくあなたにとっても大変役立つ方法です。
もしも、そのような状況に陥ってしまったときには是非試してみてください。必ずあなたを助けてくれますよ。